2026年5月12日
2学期中間テストの出題範囲
2学期の中間テストは「データ活用」と「ネットワーク」が中心です。1学期のプログラミング分野と比べて、公式や仕組みを正確に覚えているかを問う暗記要素が多いのが特徴です。ただし、単に用語を丸暗記するだけでは計算問題や応用問題に対応できません。この記事では、各分野の重要ポイントを「なぜそうなるか」まで踏み込んで解説し、実際にテストに出る形式に近い練習問題8問で仕上げます。
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データ活用分野の重要ポイント
代表値(だいひょうち):平均値・中央値・最頻値
代表値とは、データ全体の特徴を1つの値で表したものです。テストでは3種類の使い分けが問われます。
- 平均値(へいきんち):すべてのデータを足して個数で割った値。データ全体を均等にならしたイメージ。
- 中央値(ちゅうおうち):データを小さい順に並べたときに真ん中に来る値。データが偶数個のときは真ん中2つの平均を取る。
- 最頻値(さいひんち):最も多く出現する値。
使い分けの注意点:データの中に極端に大きい・小さい値(外れ値)があると、平均値はその影響を大きく受けてしまいます。例えば9人のクラスで1人だけ0点を取ると、平均点は大きく下がりますが、中央値はほとんど動きません。テストで「外れ値がある場合、代表値として適切なのはどちらか」と聞かれたら、答えは中央値です。この理屈まで説明できるようにしておきましょう。
散布度(さんぷど):分散と標準偏差
散布度とは、データが平均値からどれくらいばらついているかを表す指標です。中間テストでは分散を実際に計算させる問題が定番なので、手順を覚えておく必要があります。
データ: 10, 12, 14, 16, 18
平均値 = (10+12+14+16+18) ÷ 5 = 70 ÷ 5 = 14
偏差: -4, -2, 0, 2, 4
偏差²: 16, 4, 0, 4, 16
分散 = (16+4+0+4+16) ÷ 5 = 40 ÷ 5 = 8
標準偏差 = √8 ≈ 2.83 計算の流れは3ステップです。①平均値を求める ②各データと平均値の差(偏差)を2乗する ③偏差²の平均を取る=分散。分散の平方根が標準偏差です。分散も標準偏差も値が大きいほど「データのばらつきが大きい」ことを意味します。逆に分散が0に近ければ、データはほぼ同じ値が並んでいるということです。
なぜ「差」ではなく「差の2乗」を使うのかも問われることがあります。理由は、平均値より大きいデータの偏差はプラス、小さいデータの偏差はマイナスになり、そのまま平均を取ると必ず0になってしまうからです。2乗することでプラスとマイナスを打ち消さずに、ばらつきの大きさだけを取り出しています。
グラフの選び方
データの特徴に応じて適切なグラフを選べるかが問われます。
| グラフ | 用途 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 棒グラフ | カテゴリごとの量を比較 | 棒の高さの差 |
| 折れ線グラフ | 時間の経過による変化 | 線の傾き(急・緩・横ばい) |
| 円グラフ | 全体に対する割合 | 合計は必ず100% |
| 散布図 | 2つのデータの関係(相関) | 点の分布の傾き |
データ活用・グラフ読み取りでは箱ひげ図も含めた5種類のグラフと読み取りのコツを詳しく解説しています。
相関と因果の違い
相関関係とは、2つのデータが同じ方向(あるいは逆方向)に動くという統計的な事実にすぎません。一方で因果関係は、一方が原因となって他方という結果を引き起こしている関係です。相関があるからといって因果があるとは限りません。
定番の例は「アイスの売上」と「水難事故の件数」です。この2つには正の相関がありますが、アイスを食べると水難事故が増えるわけではありません。実際は「気温が高い」という第三の要因が、アイスの売上と海やプールに行く人の数の両方に影響しているのです。テストでは、こうした「見せかけの相関」に引っかからないように注意しましょう。
ネットワーク分野の重要ポイント
プロトコル(通信の約束事)
プロトコルとは、コンピュータ同士が通信するときの共通のルールです。役割ごとに使われるプロトコルが決まっています。
| プロトコル | 役割 |
|---|---|
| HTTP / HTTPS | Webページの閲覧(HTTPSは通信内容を暗号化) |
| SMTP | メールの送信 |
| POP / IMAP | メールの受信 |
| TCP/IP | インターネット通信全体の基盤となる仕組み |
| DNS | ドメイン名をIPアドレスに変換 |
IPアドレスとサブネットマスクの計算
IPアドレスはネットワーク上の「住所」です。IPv4は32ビット(8ビットずつ4組)で表され、「ネットワーク部」と「ホスト部」に分かれます。ネットワーク部=町名、ホスト部=番地のイメージです。サブネットマスクは「どこまでがネットワーク部か」を示すもので、IPアドレスとサブネットマスクを二進法でAND演算すると、ネットワークアドレスが求められます。
IPアドレス: 10.20.30.150
サブネットマスク: 255.255.255.128(上位25ビットがネットワーク部)
最後の8ビットだけ二進法にすると:
150 = 10010110
マスクの最後の8ビット = 10000000
AND演算(両方1のときだけ1):
10010110
& 10000000
----------
10000000 = 128
ネットワークアドレス = 10.20.30.128
ホスト部のビット数 = 32 - 25 = 7ビット
収容できるホスト数 = 2⁷ - 2 = 126台
(2を引くのはネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除くため) よく出るマスクの組み合わせを一覧にしておきます。
| サブネットマスク | ネットワーク部 | ホスト部 | 収容ホスト数 |
|---|---|---|---|
| 255.255.255.0 | 24ビット | 8ビット | 2⁸−2 = 254台 |
| 255.255.255.128 | 25ビット | 7ビット | 2⁷−2 = 126台 |
| 255.255.0.0 | 16ビット | 16ビット | 2¹⁶−2 = 65,534台 |
ホスト数の計算で2を引くのは、ホスト部が全部0の「ネットワークアドレス」と、全部1の「ブロードキャストアドレス」は個々の機器には割り当てられないためです。IPアドレス・サブネットマスクではさらに練習問題を解いて計算に慣れましょう。
DNS(ドメインネームシステム)
私たちがブラウザに入力する「example.com」のようなドメイン名は、人間が覚えやすいようにつけた名前です。しかし実際の通信ではIPアドレス(数字の並び)が使われます。DNSはこのドメイン名とIPアドレスを対応づけて変換する仕組みです。DNSがなければ、私たちはウェブサイトを見るたびに長い数字の並びを覚えて入力しなければなりません。
暗号化:共通鍵暗号と公開鍵暗号
暗号化は、通信内容を第三者に読み取られないようにする技術です。中間テストでは2つの方式の違いが頻出です。
| 共通鍵暗号 | 公開鍵暗号 | |
|---|---|---|
| 使う鍵 | 暗号化・復号に同じ鍵を1つ使う | 暗号化用(公開鍵)と復号用(秘密鍵)の2つを使う |
| 速度 | 速い | 遅い |
| 課題 | 鍵配送問題(相手に安全に鍵を渡す方法がない) | 鍵配送問題は起きない |
公開鍵暗号は「公開鍵」を誰にでも配ってよく、対応する「秘密鍵」を持つ本人だけが復号できる仕組みです。そのため事前に鍵を安全に渡しておく必要がなく、共通鍵暗号の弱点を解決しています。ただし処理に時間がかかるため、実際の通信では最初の鍵交換だけ公開鍵暗号を使い、その後のやり取りは速い共通鍵暗号を使うハイブリッドな方式がよく使われます。セキュリティ・暗号化でデジタル署名の仕組みまで詳しく学べます。
練習問題
問題1
データ 15 の中央値は?
解答:11(5個のデータを並べた真ん中=3番目の値)
問題2
データ 10, 12, 14, 16, 18 の分散と標準偏差を求めなさい。
データ: 10, 12, 14, 16, 18
平均値 = 70 ÷ 5 = 14
偏差: -4, -2, 0, 2, 4
偏差²: 16, 4, 0, 4, 16
分散 = 40 ÷ 5 = 8
標準偏差 = √8 ≈ 2.83 解答:分散 = 8、標準偏差 ≈ 2.83
問題3
ある高校で「読書時間が長い生徒ほど国語のテストの点数が高い」というデータが得られました。これは相関関係・因果関係のどちらと言えますか。
解答:言えるのは相関関係まで。データから読書時間と点数の間に関連があることは分かりますが、読書時間が原因で点数が上がったと断定はできません。「元々の読解力が高い生徒が読書も好き」など、第三の要因が関わっている可能性が残るためです。
問題4
生徒10人の身長と体重の関係を調べたいとき、最も適切なグラフは?
解答:散布図(2つのデータの関係=相関を見たいときに使う)
問題5
ウェブページを閲覧するときに使われる、通信内容を暗号化するプロトコルは?
解答:HTTPS(HTTPにSSL/TLSによる暗号化を加えたもの)
問題6
IPアドレス 10.20.30.150、サブネットマスク 255.255.255.128 のとき、ネットワークアドレスと収容できるホスト数を求めなさい。
IPアドレス 10.20.30.150 の最後の8ビット: 10010110
マスク 255.255.255.128 の最後の8ビット: 10000000
AND演算 → 10000000 = 128
ネットワークアドレス = 10.20.30.128
ホスト部 = 32 - 25 = 7ビット
ホスト数 = 2⁷ - 2 = 128 - 2 = 126台 解答:ネットワークアドレス = 10.20.30.128、ホスト数 = 126台
問題7
ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みは?
解答:DNS(Domain Name System)
問題8
暗号化・復号に同じ1つの鍵を使う方式の名前と、その方式の弱点を答えなさい。
解答:共通鍵暗号。弱点は鍵配送問題(相手に安全に鍵を届ける方法が別に必要になること)。
テストでよくある間違い
- 分散の計算で2乗を忘れる:偏差をそのまま平均すると必ず0になってしまいます。必ず2乗してから平均を取りましょう。
- 相関=因果と思い込む:「相関がある」という表現だけを見て「原因と結果の関係がある」と早合点しないこと。第三の要因がないか確認する癖をつけましょう。
- ホスト数の計算で2を引き忘れる:2ⁿそのままではなく、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの分を引いた「2ⁿ−2」が正しい台数です。
- 共通鍵と公開鍵を逆にする:鍵が1個なら共通鍵、2個(公開鍵・秘密鍵のペア)なら公開鍵暗号、とまず鍵の数から確認しましょう。
まとめ
- ✅ 代表値(平均値・中央値・最頻値)は外れ値があるときの使い分けまで説明できる
- ✅ 分散・標準偏差は「偏差を2乗して平均を取る」計算手順を覚えている
- ✅ グラフの種類と用途、相関関係と因果関係の違いを区別できる
- ✅ プロトコル(HTTP/HTTPS・SMTP・DNS・TCP/IP)の役割を説明できる
- ✅ IPアドレスとサブネットマスクのAND演算でネットワークアドレスを計算できる
- ✅ 共通鍵暗号と公開鍵暗号の違い(鍵の数・速度・鍵配送問題)を覚えている
次のステップ
- データ活用・グラフ読み取り — 5種類のグラフと統計量をさらに深く練習
- IPアドレス・サブネットマスク — 計算問題をもっと解いて慣れる
- セキュリティ・暗号化 — デジタル署名や二要素認証まで学ぶ
- 情報Ⅰ試験対策まとめ — 全分野を俯瞰して学習計画を立てる